PM @ Roppongi

六本木でアプリのプロダクトマネージャーをしています。日々の学びや経験を残していきます。渋谷 -> 六本木 -> ロンドン -> 六本木

UKの就労ビザ(Tier2 General)の申請と審査について

筆者もビザ申請時に、色々な記事を見て回ったのですが学生ビザにあたるTier4やワーホリビザのYMSに関するものが多く、あまり参考にならなかったので本記事で就労ビザ(Tier2 General)の申請について以下の順に説明していきます。

Tier2ビザについて

Tier2 General/ICT

いわゆるUKの就労ビザにあたるTier2はGeneralICT(Intra-Company Transfer)の二種類に分けられます。ざっくりと言うと、Generalは現地採用ビザ、ICTは派遣ビザのことを指します。

日本から赴任という形であれば、提出が必要な書類が減るためICTビザのほうが遥かに取得しやすいですが、日本の派遣元企業に12ヶ月以上所属していることが条件(*)です。筆者はビザ申請時点ではまだ先の条件を満たしていなかったため、Generalで申請することになりました。

(* ICTビザは更に3種類に分けられ、筆者が挙げたのは"Long-term Staff"のケースです。詳しくはこちらをご参照ください。)

www.gov.uk

Tier2 Dependants (配偶者ビザ)

筆者はビザ申請時点で既婚者、かつUKへの帯同を考えていたため配偶者ビザも同時に申請しました。メインでビザを取得する人のビザがTier2 Generalであるのに対して、配偶者ビザはTier2 General Partner(or Dependants)となります。イギリス国籍の方と結婚してUKに在住するための配偶者ビザ(Marriage Visa)とは異なります。

ビザを取得する際に色々な方に質問を受けたのですが、この配偶者ビザ(Tier2 Dependants)を持っていれば、研究職でない限り配偶者の方もUKで仕事に就くことができます。(General/ICT問わず)

UK Border Agency | Working and conditions

ビザの申請準備

必要書類

必要書類については本家のリストが参考になります。

www.gov.uk

私が最終的に提出したのは以下の資料です。
(ビザ申請プロセスは日に日に変わっていくものなので、必要書類の提出は自己責任でお願いいたします)

  • 申請者本人用
    • CoS(Certificate of Sponsorship)の番号
    • Sponsor letter (現地法人に雇用される証明書)
    • 語学スキルの証明書 (IELTSのスコアシート)
    • 預金残高など経済的安定を証明をするもの、もしくはUKで生活する上で会社が給与面でサポートできることを証明するもの (筆者は後者でした)
    • 現在有効なパスポート
    • Applicant declarationのコピー (署名必要)
    • Application Formのコピー (署名必要)
    • VAF-9 Appendix 5のコピー (Applicationの際に同時に出すことになるはずです。署名必要)
    • Visa Application系のメールのコピー (Payment ConfirmやApplication confirmationは確実にあったほうがいいです)
    • 過去使用していたパスポート (あれば)
  • 配偶者用
    • 現在有効なパスポート
    • 戸籍抄本
    • 翻訳された戸籍抄本(専門家が翻訳したという証明も必要)
    • Applicant declarationのコピー (署名必要)
    • Application Formのコピー (署名必要)
    • VAF-9 Appendix 5のコピー (署名必要)
    • Visa Application系のメールのコピー
    • 過去使用していたパスポート (あれば)
    • Sponsor letter (就労者が配偶者の生活をバックアップする旨を記載した書面。愛を込めましょう)

IELTSの受験

Tier2 Generalを取得するにはIELTSのスコアで4.0以上(B2以上)を出さなければなりません。TOEICが600点~700点あれば問題なく突破できるはずです。

が、マークダウン形式のTOEICと異なり、IELTSは手書き、かつWritingとSpeakingもあります。イギリス圏独特の表現や単語が使われることもあるので、TOEICで800点以上ある人でも一応問題集と単語帳は買って目を通しておくことをオススメします。筆者が使っていたのは以下の二つ。特に問題集は模擬試験のページがあるのでこれだけ実施するだけでもかなり違うと思います。

スコアに直結!IELTS徹底対策テキスト&問題集

スコアに直結!IELTS徹底対策テキスト&問題集

IELTS必須英単語4400

IELTS必須英単語4400

試験は一ヶ月に一回程度の実施のため、余裕を持って受験しておきたいものです。

CoSの申請

CoSはCertificate of Sponsorshipの略で、赴任者を雇用することが認められている現地法人から渡される証明番号のことです。赴任者であっても便宜上、現地法人に応募して他の応募者との篩にかけられた上で採用される必要があります。

ビザの本番申請前に取得が必要です。

その他注意点

Applicationの際に過去10年間の海外渡航歴リストが必要となるので漏れなく記入できるようにしておいたほうがいいです。

ビザセンターでの書類提出

ビザセンターの来館予約

申請に必要な書類が揃ったら、こちらのページよりビザセンターでの申請予約を行います。予約をしていなければ書類を提出させてもらえないので注意してください。

UK Visa Information - Japan - Book An Appointment

日本では東京と大阪で申請することができ、筆者は東京(新橋)で提出することにしました。

申請当日

ビザセンターに到着して実施することはざっくりと以下のことに分けられます。

  • セキュリティチェック
  • 書類の整理
  • 書類の提出
  • 生体認証登録

セキュリティチェック: 不審物の持ち込みがないか、携帯電話の音がならないか、パソコンなどの持ち込みがないか、などをチェックします。筆者は不要なものはすべて新橋駅のロッカーに預けて向かったのですが、普通にパソコンを持ち込んでいる人も見かけました (電源が切れていれば良いようです)。

書類の整理: 入り口のドアをあるとすぐ横に色紙が数種類置いてあるので、説明に従って書類を整理していきます。

書類の提出: セキュリティチェック時に番号札を渡されるので、その番号が呼ばれたら書類を提出します。この時点で書類が整理できていなくてもお願いされるので問題ありません。(お金を払って整理をお願いすることも可能。何に対してでもお金を取ろうとしてきます。)

生体認証登録: 書類の提出が終わったら別室で生体認証登録を行って終了です。生体認証登録では両手の指と目、顔をスキャンされます。

申請は意外とあっさりと終わってしまうので、本当に大丈夫だったのかと受け取りまで不安に駆られました。。

審査について

審査はUKVIにて実施されます。日本ではなくフィリピン or UKです(優先サービスの場合はUKの模様)。

優先サービスを使うべきか

結論から申し上げると、優先サービスは利用せずに早めに申請することをオススメします。優先サービスだからといって期限内に返ってくることが保証されているわけではないためです。使わなくても98%の審査は15営業日以内に結果が判明するようです。

筆者は7月31日に提出して、2-3万円支払う必要のある優先サービスを利用しました。優先サービスは通常3-5営業日以内にパスポートが返ってきますが、実際に返却されたのは8月16日でフライトの前日でした (フライトは会社持ちだったのでとにかく不安でした)。

その他注意点

過去にはビザの進捗がWebで分かるようになっていたようですが、2017年8月時点には既にそのようなサービスは無くなっていました。代わりにお金を支払うことでメールや電話で問い合わせることができます。何たる拝金主義・・・

まとめ

最後に本記事の要点を挙げておきます。

  • 現地採用はTier2 General、日本法人からの赴任はTier2 ICT
    • ただし入社1年以内での赴任の場合はTier2 General
  • 配偶者帯同の場合は、それ用のビザ取得もお忘れずに
    • 配偶者もTier2 DependantsであればUKで仕事に就くことができます
  • ビザ申請のための提出書類はかなり多い
    • IELTSの受験やCoS(Certificate of Sponsorship)の取得は必ず事前に行っておくこと
  • ビザセンター来館の予約は必須
  • ビザ申請優先サービスは使わずに済むように、十二分に時間に余裕をもつこと

日本でもビザの種類は様々で申請に手こずることがよくありますが、イギリスでもそれは変わらず。(前職でPMをする傍ら、海外から採用したメンバーのビザ手続きも行っていました)

どの国でも自国民の労働力が失われることに対してセンシティブなご時世です。Brexitによってその勢いが更に強まっていくのかどうかは今後も注目できればと思っています。